次に第2例目を移りましょう。ここではもう1人別の生徒、仮に”学(まなぶ)くん“という名の男の子に登場してもらいます。この学くん、当時中1だったのですが、数学を受講していました。講師が何かを説明するたびに非常に
困った問題点を抱えています。本来なら、数学の勉強以前の次元で『生活知識』と呼ぶべき極めて基本的な知識や「ことばの意味理解」が乏しすぎるのです。そのため、講師が噛み砕いて何か説明しようにも、その際に使用された「たとえ話」や、語彙(ごい)ではコミュニケーションが成立しません。つまり、勉強科目の単元に関する事柄を
説明しようと講師が持ち出した「たとえ話」や「慣用的な言い回し」なども理解出来ないために、さらにそれをも
説明する必要性が生じてしまうわけです。以下2例のエピソードがあります。
実際にあったエピソード その2
“トランプ事件”
【問題】
「トランプの1から4までのカード4種類、計16枚を4人に4枚ずつ配る。黒いマークのカードは その数を正の数、赤いマークのカードはその数を負の数として4枚の和を各自の点数とする。」
【問題文を見て数秒後…】
まなぶ君は、トランプには4種類のマークがあるということ、その中でも黒いマークとは“スペード”と“クローバー”、赤いマークとは“ダイヤ”と“ハート”の2種類ずつある…ということを知りませんでした。さらに、「それがわからないと解けない・・・」という危機認識もありませんでした。
____「黒いマークとか赤いマークって何なん?」
一瞬、尋ねられた講師の側も、学くんの質問の意図が何なのか躊躇してしまいました。その後、実際にトランプを引っ張り出して説明し、何とか理解してもらいましたが、これだけも数分のロスタイムです。
西も東も分からない……
【問題】
『“マイナス-500m”東へ歩く。』とは、つまり『西へ“プラス(+)500m”歩く。』ことを意味します。では、『“マイナス-500円”増加した。』という表現を、『マイナス』を使わず同じ意味になるように書き換えなさい。
『“マイナス-500m”東へ歩く。』とは、つまり『西へ“プラス(+)500m”歩く。』ことを意味します。では、『“マイナス-500円”増加した。』という表現を、『マイナス』を使わず同じ意味になるように書き換えなさい。
【学くんの反応】
学ぶくんはまず、「“東”の真反対の方向が“西”である」と気づくまで時間がかかりました。また「増加」という二字熟語の対義語である「減少」という言葉が、全く思い浮かべられませんでした。「500円減るぅ~」とまでは何とか答えられるのですが…。そこで「減少」という言葉を教えられた学くんが最後に引っかかるのは“時制”の概念でした。「じゃぁ、500円減少する!」・・・、自信満々の表情で答えてくれたのですが、正解は「減少する」ではなく、「減少した」でなければなりません。
⇒⇒3例目の具体的なエピソードはこちら。
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